2019東大祝辞 が深い

2019東大祝辞 が深い


上野千鶴子さんの東大祝辞、深いです。


「がんばってもそれが公正に報われない社会があなた達を待っています。そしてがんばったら報われるとあなた方が思えることそのものが、あなた方の努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

 

あなた達が今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなた達を励まし、背を押し、手を持って引き上げ、やり遂げたことを評価して褒めてくれたからこそです。

 

世の中には、がんばっても報われない人、がんばろうにもがんばれない人、がんばりすぎて心と体をこわした人達がいます。

 

あなた達のがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれない人々を貶めるためにではなく、そういう人々を助けるために使ってください。

 

強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだフェミニズムは、弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

 

あなた達を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

 

多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。

 

あなた方には、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、私は確信しています。

 

知を生み出す知を、メタ知識 と言います。そのメタ知識を身につけることこそが、生きていく使命です。」

予測不能な正解のない未知の世界、そのヒントになるのは 多様性 という部分が印象的な、素敵なスピーチだと思いました。